親が大腸癌の肝転移で亡くなるまでに起こった症状と亡くなる直前の変化
癌は体調が急激に悪くなるというけれど...
親を癌で亡くしました。
原発は大腸。しかし、大腸というよりも肝臓への転移がひどく、肝不全で亡くなりました。
癌の宣告を受けてから約一年。
癌になった時点で結構本を読み漁ったので癌になったらどういうふうに症状が進行するかは何となく分かっていたつもりでした。
それでもやっぱり実際に体験してみないとわからなかったことが多々あります。
色々なところで言われていますが、
癌はなくなる直前まで元気。亡くなる直前から急激に体調が悪くなる。
というのは本当でした。
とはいえ、「あれ、おかしいな?」と思ってもある程度身の回りの事をこなすこともできていたので、
本当に今が終末期なのかどうかがわからず、
- どういう気持で接したら良いのか分からない
- 実家が離れているのでどれくらいの頻度で帰ったらいいかが分からない
- 勿論帰れる限り帰ったほうが良いですが子どもも小さく気軽には帰れません
というところで特に悩みました。
個人差はあると思いますが、今日は親の亡くなる前の症状について書き残して置きたいと思います。
これが同じような境遇の方のお役に立ちますように。
治療開始時
治療開始前(亡くなる約1年前)
親の場合、癌が発覚した時点で肝臓への転移が激しく、ほぼ治療の施しようがない状態でした。
なんとか抗がん剤に耐えられる余地があったため、抗がん剤治療を開始しました。
この時点で親が訴えていた症状は以下です。
- 毎日夜になると発熱する。朝になると熱が下がる。
- とにかくだるい。コロナワクチンの副作用がずっと続いている感じ。
- 味覚が変
- 食べられない
- 普通の速度で歩けない。普通の距離を歩けない。
治療中(~亡くなる2ヶ月前)
亡くなる2ヶ月前まではほぼ症状に変わりはありませんでした。
抗がん剤はそこまで効かなかったのですが、それでもある程度癌の進行は抑えてくれていたようです。
治療開始前よりも体調がよくなりある程度動けるようになっていました。
しかし以下のような症状がありました。
(これには抗がん剤の副作用も含まれます)
- 毎日食べられるものが変わる
- 食事直前にならないと食べられるものが分からない
- 食材によって苦味を感じたりする
- 手足がしびれる
- 抗がん剤の影響
- 発熱する
- だるい
- 普通の速度で歩けない。普通の距離を歩けない
亡くなる1.5ヶ月前
急激な変化が訪れたのはここからです。
まず以下が現れました。
- 水が溜まり始め体重が増加する
- 片方の足が浮腫む
- 黄疸が出始める
- 肩甲骨あたりの痛みを訴える
肝臓への転移が大きくなり肝機能への障害が出始めました。
これらの症状が出ると肝不全と判断するらしいです。
この時点で抗がん剤はストップとなりました。
(遅いですが)このタイミングでセカンドオピニオンにも行きました。
主治医は教えてくれなかったですが、肝不全の症状が現れるとほぼ1ヶ月以内に亡くなると言われました。
肩甲骨あたりの痛みは、肝臓の肥大化等が原因で起きると説明を受けました。
〜亡くなる1週間前
亡くなる一週間前までに起きた変化は以下です。
- 水の溜まりが加速する
- 左右の足がむくみでパンパンになる
- 眼が真っ黄色になる
- 食欲が更になくなる
- 自力では立ち上がれなくなる。着替えにも介助が必要になる。
大きな変化ではないのですが、少しずつ立ち上がったりすることが厳しくなってきます。
それまでも機敏に動くことはできていなかったので、あまり気にしていなかったのですが、
ほぼ自力で身の回りの事をすることはできなくなっていました。
ただ、会話は普通にできていました。
なのでまさかこの1週間後に亡くなるとは夢にも思いませんでした。
セカンドオピニオンで言われた内容が正しいとするともう既に亡くなっているはずだったので、
親の場合は特別なのかな?なんて希望を持ったりもしていました。
亡くなる1週前〜3日前
ここまでの症状に加えて以下が発生しました。
- 更に食欲がなくなる
- 水や氷、アイス、フルーツなど口当たりの良いものしか食べられない
- 寝返りも自力でするのは厳しくなる
- 話している間に寝たりする
- 現実と夢の違いが分からないと言う
食欲がなくなり、動くことが厳しくなってきました。
でも話はできていました。
ただ、本人が「今自分が夢の中にいるのか現実に喋っているのか分からない」と言っていました。
肝不全が進行すると肝臓でアンモニア等の毒素が分解できなくなり、それらが脳に回ってしまいます。
それが原因で肝性脳症という症状が発生するようです。
急に分けのわからないことを言ったり暴れだしたりする。
とセカンドオピニオンで説明を受けていましたが、これが始まってしまったのか...とわかりました。
なお、セカンドオピニオンでは、
「肝性脳症になると数日以内になくなります」
と言われていました。
覚悟はする一方で、ある程度普通に話もできていたのでやはり先生の言っていたことが信じられませんでした。
3日前〜
亡くなる3日程前から以下が現れました。
- 呼吸数が減る
- SpO2が90前半〜80後半になる
- 血圧が下がる
- 寝ている時間のほうが長くなる
- 話しかけると反応はあるが会話にはならない
明らかに呼吸数が減りました。
血圧も80を下回り、SpO2もかなり数値が減少しました。
今まで話せていたのが会話は厳しくなり寝ている時間が長くなりました。
でも話しかけるとうなずいたりして反応はしてくれました。
亡くなる直前
- 体温が低くて測れなくなる
- 血圧が低くて測れなくなる
亡くなる直前まで、特に変化は感じませんでした。
ただ、体温血圧が測れないほど下がったことで明らかに状態がおかしいことを知ることができました。
そこから亡くなるまでは数時間でした。
それまではまだ数ヶ月は生きてくれるものと思っていたのと、親の生きる意志がとにかく強かったことから、
改まって感謝の気持ちを伝えたりすることはしませんでした。
でも、状態が変わったことでここから亡くなるまでしっかりと感謝の気持ちを伝えたりすることができました。
時々うなずいてもくれました。
個人差があると思いますが参考になれば嬉しいです
私の親の場合は以上のような経過をたどりました。
上でも述べたように、
「親の生きる意志が強く、とにかく死ぬことに関する話題は話さなかった」
こともあり感謝の気持ちを伝えたくてもいつ伝えたらいいかが全くわかりませんでした。
結果として亡くなる数時間前からゆっくりと伝えることはできましたが、
印象としては体調が急激に変化してから亡くなるまではあまりにもあっという間。
という感じでした。
人それぞれ症状や進行の仕方は勿論異なります。
しかし、この文章が同じような悩みを抱えてる方の力に少しでもなれれば幸いです。
参考になった本
以下は私が参考にした書籍です。
こちらもご参考になれば幸いです。